
「ノートパソコンの底面が浮いてガタガタする」「タッチパッドが押し上げられて反応しない」「本体が閉じきらない」——これらはすべて、バッテリーが膨張しているサインです。
膨張したリチウムイオンバッテリーは、放置すると発火・破裂の危険があります。しかし、慌てて誤った処置をすると、かえって危険を招くこともあります。
この記事では、膨張したバッテリーを安全に処分するまでの手順を、やってはいけないことと合わせて解説します。
以下に当てはまる場合、バッテリーが膨張している可能性が高いです。
「少し浮いているだけ」と思っても、内部ではガスが発生して圧力がかかっている状態です。そのまま使い続けるのは危険です。
リチウムイオンバッテリーは、内部の化学反応で電気を蓄えたり放出したりしています。経年劣化、過充電、高温環境などが原因で、内部でガスが発生することがあります。
バッテリーは密閉されているため、発生したガスの逃げ場がありません。結果として、外装が風船のように膨らみます。
1. 発火・破裂のリスク
膨張が進むと外装が破れ、内部の可燃性物質が空気に触れて発火する可能性があります。リチウムイオン電池の火災は消火が難しく、水をかけても消えにくい性質があります。
2. 圧力による損傷
膨張したバッテリーが内部からパソコンの部品を押し、基板や画面を破損させることがあります。
3. 衝撃に弱くなっている
膨張した状態のバッテリーは、通常より衝撃に弱くなっています。落としたり、押したりするだけで発火に至るケースがあります。
膨張の有無にかかわらず、リチウムイオンバッテリーを一般ゴミに出すのは絶対に避けてください。
収集車の中や処理施設で圧縮されると発火します。実際、全国のごみ処理施設でリチウムイオン電池が原因の火災が多数発生しており、社会問題になっています。
「ガスを抜けば戻るのでは」と考える方がいますが、絶対にやめてください。内部の物質が空気に触れると発火します。
押し込む、挟む、重しを乗せる——いずれも危険です。内部の損傷を悪化させます。
「熱が原因なら冷やせばいい」というのは誤解です。結露が生じてショートの原因になります。
膨張が確認できた時点で、充電は中止してください。過充電は膨張をさらに進めます。
リチウムは水と反応します。消火のつもりでも逆効果になる場合があります。
電源を切り、充電ケーブルを抜いてください。以後、電源を入れないようにします。
着脱式(取り外せるタイプ)の場合
膨張が軽度で、引っかかりなく外せるなら取り外します。少しでも固い、引っかかると感じたら無理をせず、そのままにしてください。
内蔵式(一体型)の場合
最近のノートPCはほとんどがこのタイプです。分解しないでください。膨張したバッテリーの取り外しは、専門知識と工具が必要な作業です。パソコンごと処分に出すのが安全です。
回収に出すまでの間、以下の条件で保管してください。
密閉容器は避けてください。万一ガスが発生した場合、圧力が高まります。
膨張したバッテリーは、受け入れ先が限られます。以下の選択肢があります。
方法 | 対応 | 注意点 |
|---|---|---|
IT機器の回収業者 | ○ 対応可能なところが多い | 事前に「膨張している」と伝える |
家電量販店の回収ボックス | △ 膨張品は不可の場合が多い | 持ち込む前に電話確認を |
自治体の小型家電回収ボックス | × 基本的に不可 | 発火リスクのため受け入れ不可が一般的 |
メーカー回収 | △ 条件による | 梱包・輸送のリスクがある |
必ず事前に「バッテリーが膨張している」と伝えてください。 伝えずに持ち込むと、受け取りを断られたり、輸送中に事故が起きたりする可能性があります。
バッテリーが膨張していても、パソコン本体は通常どおり処分できます。
ただし、データが入ったままの状態です。電源が入らない場合でも、記録媒体(HDD/SSD)にはデータが残っています。そのまま捨てるのは危険です。
電源が入らない端末のデータ消去は、物理破壊での対応になります。回収業者に依頼すれば、バッテリーの処理とデータ消去をまとめて任せられます。
パスワードを忘れた・電源が入らないパソコンの処分もご参照ください。
Q. まだ普通に動いています。すぐに処分しないとダメですか?
A. 動いていても、膨張が確認できたら使用を中止することをおすすめします。膨張は進行します。「まだ大丈夫」と使い続けて発火した事例があります。
Q. バッテリーを交換すれば本体は使えますか?
A. 機種によっては可能です。メーカーや修理業者に相談してください。ただし古い機種は交換用バッテリーの供給が終了していることがあります。修理費用と買い替えを比較して判断してください。
Q. 膨張したバッテリーを郵送しても大丈夫ですか?
A. 推奨できません。リチウムイオン電池は輸送に関する規制があり、膨張・損傷している場合は多くの配送業者が引き受けを断ります。持ち込みか出張回収を利用してください。
Q. モバイルバッテリーやスマホでも同じですか?
A. 同じです。むしろモバイルバッテリーは容量が大きく、膨張・発火の事例が多く報告されています。同様に注意して処分してください。
Q. 処分費用はかかりますか?
A. 業者によります。BULLCOMではパソコン本体・バッテリーとも無料で回収しています(持ち込みの場合)。
Q. 何年くらいで膨張しますか?
A. 一概には言えませんが、3〜5年を超えたあたりから劣化が進みやすくなります。高温環境での使用、常時充電しっぱなしの運用は劣化を早めます。
今使っているパソコンを長持ちさせるために、以下を心がけてください。
危険な状態のものを、無理に自分で処理しようとしないでください。専門業者に任せるのが最も安全です。
BULLCOMは古物商許可業者(兵庫県公安委員会許可 第631500200039号)として、膨張したバッテリーを含むパソコンの回収に対応しています。
「危ないかもしれない」と感じたら、無理に触らずご相談ください。安全な取り扱い方法をご案内します。
この記事の著者
芦原 陽右BULLCOM 代表
兵庫県公安委員会許可 第631500200039号。神戸・明石でパソコン・IT機器の無料回収・データ消去サービスを提供。 2002年創業のITコンサルティング会社を運営し、個人から法人まで年間多数の機器を適正処理。
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