
GIGAスクール端末の処分方法として、物理破壊を選ぶ自治体・学校が増えています。理由はシンプルで、「確実だから」「説明しやすいから」です。
ただし物理破壊にもいくつか方法があり、どれを選ぶかで費用も確実性も変わります。また「立会いをしたい」というご要望も多くいただきます。
この記事では、物理破壊を選ぶ場合の実務を、判断基準から当日の流れまで整理します。
判断軸 | 論理消去(上書き) | 物理破壊 |
|---|---|---|
端末をリユースしたい | ○ 可能 | × 不可 |
故障・電源が入らない | × 実行できない | ○ 対応可能 |
確実性 | 高い | 最も高い |
費用 | 安い(無料の場合も) | かかる(1台数千円) |
資源価値 | 保たれる(買取の可能性) | 下がる |
説明のしやすさ | 規格名での説明が必要 | 直感的に伝わる |
動作品でまとまった台数があるなら、論理消去してリユースするほうが合理的です。買取価格がつけば処分費用を圧縮できます。
一方、以下に当てはまる場合は物理破壊が適しています。
心情としては「全部壊してしまえば安心」と考えたくなりますが、まだ使える端末を破壊するのは、公費で買った資産を価値ゼロにするということでもあります。
動作品は論理消去してリユースに回し、故障品だけ破壊する——この振り分けができると、費用面でも説明面でもバランスが取れます。
ドリルなどで記録媒体に穴を開ける方法です。
比較的コストが低く、立会いでも見た目に分かりやすいのが利点です。ただし、穴の位置がずれると一部データが残る可能性があります。
専用の破砕機で記録媒体を細かく砕く方法です。
確実性が高く、破砕後の状態は誰が見ても復元不能と分かります。粉砕サイズが細かいほど確実性は上がります。
プレス機で記録媒体を折り曲げる、押し潰す方法です。HDDのプラッタを変形させて回転不能にします。
Chromebookやタブレット型端末は、記録媒体が基板に直付け(オンボード)されていることが多くあります。従来のノートPCのようにHDDを取り出して破壊する、という手順が使えません。
この場合、以下のいずれかになります。
「HDDを抜いて破壊します」という説明をする業者には、端末の構造を理解しているか確認してください。 Chromebookに取り外せるHDDは通常ありません。
議会や監査で「自分の目で確認した」と説明できることに価値があります。
① 業者の施設で立会う
破砕機などの設備がある場所へ出向き、処理を確認します。大型の設備を使うため確実性は高くなります。
移動時間がかかる点と、台数が多い場合は全数の確認に時間を要する点に注意してください。
② 現地(学校・庁舎)で立会う
業者が機材を持参し、その場で破壊します。端末を外に出さずに処理できるため、輸送中のリスクをなくせるのが最大の利点です。
持ち込める機材の規模に制約があるため、対応可否と処理能力(1日あたり何台か)を事前に確認してください。
100台を超える場合、全数立会いは現実的でないことがあります。その場合は「抜き取りで立会い、残りは証明書で担保する」という進め方も検討してください。
物理破壊の場合も、証明書の重要性は論理消去と変わりません。
台数が多い場合、証明書本体に全台は書ききれません。別紙の一覧表が付くのが一般的です。
この一覧が学校側の管理簿と突合できる形式かを、発注前に確認してください。「〇〇台を破壊しました」という総数だけの証明書では、監査で「どの端末か」を問われたときに答えられません。
物理破壊は1台あたりの単価で見積もられることが多く、台数が増えるほど総額が大きくなります。
費用を抑えるポイントは2つです。
① 動作品をリユースに回す
買取がつけば、その分を破壊費用に充当できます。全体の実質負担が下がります。
② 破壊対象を記録媒体に絞れるか確認する
端末全体を破砕するより、記録媒体だけを破壊して残りは資源としてリサイクルするほうが、費用を抑えられる場合があります。ただしオンボード型では分離できないため、機種によります。
物理破壊とマニフェストは別の話です。ここを混同しやすいのでご注意ください。
破壊後の端末を産業廃棄物として処分する場合、収集運搬・処分は都道府県知事の許可を持つ業者が行う必要があり、マニフェストの交付・5年間の保管が義務づけられます。
区分の詳細は産業廃棄物と一般廃棄物の違いをご覧ください。
BULLCOMは古物商許可業者としてリユース・データ消去を担当し、産業廃棄物としての処理が必要な分は許可を持つ提携業者をご紹介するスキームで対応しています。
Q. 学校の職員が自分で壊してもいいですか?
A. 物理的には可能ですが、証明書が残らない点が問題になります。また、破壊が不完全でデータが残るリスク、作業時のケガのリスクもあります。監査対応が必要な場合は業者に依頼してください。
Q. 破壊した端末はその後どうなりますか?
A. 金属・プラスチックなどの素材ごとに分別され、資源としてリサイクルされます。処理の流れを説明できる業者を選んでください。
Q. 立会いの費用はどれくらいですか?
A. BULLCOMの場合、物理破壊4,000円/台に対し、立会い対応は5,000円/台〜となります。台数や場所により変動するため、お見積もりをご依頼ください。
Q. 全台の立会いは必須ですか?
A. 必須ではありません。抜き取りでの立会い+全台分の証明書、という組み合わせが実務ではよく採られます。組織の規程を確認してください。
Q. 充電保管庫やキーボードも一緒に処分できますか?
A. 可能です。金属製の保管庫は資源価値があるため、まとめてご相談いただくと効率的です。
BULLCOMは古物商許可業者(兵庫県公安委員会許可 第631500200039号)として、データ消去・物理破壊・回収を一貫して承ります。
台数・機種・ご希望の破壊方法をお知らせいただければ、概算をご提示します。
この記事の著者
芦原 陽右BULLCOM 代表
兵庫県公安委員会許可 第631500200039号。神戸・明石でパソコン・IT機器の無料回収・データ消去サービスを提供。 2002年創業のITコンサルティング会社を運営し、個人から法人まで年間多数の機器を適正処理。
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